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糖尿病とむし歯の関係

お口の健康とからだの健康は、切っても切れない関係。ですが実はこれ、糖尿病にも当てはまります。
糖尿病とお口には、とても深い関係が隠されています。今回はむし歯との関係についてみてみましょう。
砂糖やお菓子がむし歯を引き起こすことは常識。そして、甘い食べ物やジュースが血糖値を上げることもよく知られています。ですが、糖尿病とむし歯が「甘いもの」を通してつながっていることは、きちんと理解されていないようです。
甘いものはむし歯の大好物であると同時に、血糖値を急激に上昇させる犯人の1人でもあります。砂糖の正体は、「ぶどう糖」と「果糖」というふたつの糖分が合体した「二糖類」です。一方、ご飯などに含まれるデンプンは、ぶどうの房のようにぶどう糖がつながった「多糖類」です。
二糖類はお腹のなかに入るとすぐさまからだに吸収され、血糖値を上昇させます。このため、すい臓は血糖値を下げるためのホルモン(インスリン)を山ほど急ごしらえしなければなりません。
それに対し、多糖類はつながった糖を酵素というハサミで細かく切り刻まなければ吸収できないので、消化にとても時間がかかります。そのおかげで血糖値が上がりにくくすい臓の負担もとても小さいのです。
歯医者さんに行くと、歯科衛生士さんから「甘いものは歯に悪いから控えましょうね」と指導されると思います。しかし、これからの時代はそれに加えて「甘いものを控えると、すい臓をいたわり、糖尿病になりにくい強いからだになれますよ!」と言われることでしょう。

歯科衛生士 山崎恭子