お知らせ

お子さんの成長のために

人間の脳の発育は3歳までに約80%まですすむと言われています。実はお口の機能の発育は脳の発育と連動しているんです。そのため、3歳までに口の基礎体力づくりをしていくことが成長のために重要となります。
基礎体力づくりとは顎や舌、口の周りの筋肉を使う力を身につけることです。その中で授乳期は重要な時期になります。特に母乳は栄養も豊富で、赤ちゃんのお口のトレーニングにも最適です。赤ちゃんが母乳を飲んでいる時お口が上下に動いているのを見たことありますか?これは赤ちゃんが舌を盛り上げて乳首を上顎に押し付け、圧力を加えて乳汁を絞り出しているからです。この時、赤ちゃんは「吸う」ではなく「噛む」という動作を身につけようとしています。また母乳を飲み終えた子が全身に汗をかいているのは全身の筋肉を使用している証拠なんです。

では、絶対に母乳でなければ口の基礎体力づくりは出来ないのでしょうか?そういうわけではありません。状況によっては母乳育児が難しい時もあると思います。そういう場合はミルクでも問題はありません。ただ、哺乳瓶の種類に目を向けてみて下さい。哺乳瓶には咬合型と吸飲型の2種種類があります。咬合型は赤ちゃんが母乳を飲む時に近い口の動きが出来るよう工夫されて作らせています。しかし、吸飲型は舌で吸うことができてしまい、傾けると飲めるように作られています。この吸飲型でミルクを与えると、赤ちゃんは吸って飲むという楽な方法を覚えてしまい噛むという動作を学習することが出来ません。また、途中から噛まなければミルクが出ない乳首に切り替えるためには2週間から1か月かかると言われています。そのため、哺乳瓶を使う時は咬合型を選び、きちんと噛める基礎力を身につけていきましょう。

管理栄養士 加古 菜摘