マウスピース矯正
インビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置)って初めて聞きましたが、実績のある矯正方法ですか?
マウスピースによる矯正の歴史は古く、1900年代後半より様々なシステムが用いられてきました。コンピューターの活用によりシステム化されてきており急速な発展を遂げています。しかし実績としては、ワイヤーを使用した矯正治療の方が断然歴史が古いです。ワイヤーによる矯正治療経験のある矯正歯科医によって、歯の動きに深い知識と理解がないと、マウスピースによる治療は失敗することがあります。歯の動きは必ずしもコンピューターシミュレーションどおりにはいかないことが多々あります。マウスピースによる治療は、大学病院矯正歯科出身者などワイヤーによる矯正治療の経験豊富な矯正歯科医で、かつマウスピースによる治療に慣れている先生を選択することをおすすめします。
マウスピースを装着するだけで本当に歯が動くんですか?
動きます。逆に言うと、装着しないと歯は動きません。マウスピースによる治療は1週間前後で新しいマウスピースに交換していきます。どんどん歯が動いていき、知らず知らずのうちに歯ならびがきれいになっていきます。
マウスピースによる治療でも治らない歯ならびはありますか?
あります。マウスピースによる治療は原則として歯を動かすことはできますが、アゴの形までを変形させることはできないのです。例えば、下のアゴが突出しているような骨格の方には手術が必要な場合があります。マウスピースによる治療で可能な歯ならびなのか、そうでないかの判断は、大学病院矯正歯科勤務経験のある矯正歯科医に診断してもらう方が良いでしょう。アゴを外科手術により切断しその位置を変更した後、マウスピースにて歯を矯正することは可能です。外科手術併用の矯正治療は保険適応で当法人でも可能ですが、マウスピースを併用した場合は、自費治療となります。
マウスピースによる治療期間はどのくらいですか?
約6ヶ月〜3年以上という幅があります。毎日の装着時間を守っていれば3年を超えることはあまりありません。治療期間の概ねの予測は、診断後にシミュレーション画面にてお伝えすることができます。マウスピースによる治療では残りのマウスピースの枚数がわかるようになっており、いつまでかかるのかという予測のたてやすい治療です。
いくら目立たないとはいえ、口を開けたら気づかれてしまうのではないですか?
まず気づかれることはありません。マウスピースも1週間前後で新しいものに交換しますので、きれいなものを使用できます。
マウスピースによる治療は何歳からできますか?
7歳、8歳ごろからスタートすることができます。子供の歯から大人の歯への交換時期は歯も動きやすいです。この時期は、アゴの成長にも変化を加えることができますので、MFT(口腔筋機能療法)を併用して治療をしていきます。
マウスピースによる治療開始後はどのくらいのペースで歯科医院に通わないといけないですか?
デンタルモニタリングシステムの導入により、毎月の来院は必要なくなりました。また、あまりにも口腔衛生状態が悪い場合には、マウスピース装着によって歯周病やむし歯を誘発してしまう可能性がありますので、歯科衛生士による指導や徹底したクリーニングを受けていただくために別の予約が必要になることもあります。
むし歯や歯周病があったり、歯のかぶせ物や差し歯が入っていてもマウスピースによる治療が受けられますか?
歯の被せ物については問題ありませんが、むし歯や歯周病があるとマウスピースによる治療はできない場合があります。むし歯の治療は終了してからマウスピースによる治療を開始する方が良いでしょう。また歯周病についても、改善させてから治療を開始しないと、マウスピースの着脱の力などで歯や歯ぐきを痛めてしまったりする可能性があります。矯正治療は原則として歯と歯ぐきが健康である必要があります。
マウスピースによる治療は、歯を抜かなくても矯正ができると聞いたのですがそうでしょうか?
必ずしもそうではありません。歯を抜かなくても治療ができる可能性はあります。重要なことは適切な診断ができる矯正医にみてもらうことです。
マウスピースによる治療で矯正中の痛みはありますか?
少しあります。矯正治療は歯を動かす痛みを伴います。この痛みに耐えられなくて治療を中断した方は、今までに聞いたことはありません。ワイヤー矯正では歯を磨くのも大変ですが、マウスピースは取り外すことができますから、歯ぐきの状態も良好に保つことができ、むし歯にもなりにくいです。